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*2008.02.13 (Wed)... セイラン誕生日記念創作
(創作はサイトに再掲済です)
セイランお誕生日おめでとう!
分かりにくいかもですが、SP2即位直前ED後です。初めてあのEDを見たときあらゆる意味で呆然としてしまった衝撃が今でも印象深い。
というか何よりも、実はセイランは初書きなのです。
そして書いてみて分かったことは、私にとってはセイランは知盛と一緒なのだなぁということです。つまり、大好きなのに書きづらい。
アリオスやクラヴィス様(なぜか様をつけてしまう)、それに弁慶なんかは比較的書きやすいのですが……うーん。多分あまりにも思考回路が似ていないからだと思います(笑)
でも楽しかった!
前回の弁望同様、原稿期間が終わったらサイトに移しますね。
セイランお誕生日おめでとう!
分かりにくいかもですが、SP2即位直前ED後です。初めてあのEDを見たときあらゆる意味で呆然としてしまった衝撃が今でも印象深い。
というか何よりも、実はセイランは初書きなのです。
そして書いてみて分かったことは、私にとってはセイランは知盛と一緒なのだなぁということです。つまり、大好きなのに書きづらい。
アリオスやクラヴィス様(なぜか様をつけてしまう)、それに弁慶なんかは比較的書きやすいのですが……うーん。多分あまりにも思考回路が似ていないからだと思います(笑)
でも楽しかった!
前回の弁望同様、原稿期間が終わったらサイトに移しますね。
She wants you
差し込む陽光に自然と目が覚めると、彼の目の前で天使が眠っている。
初めて出逢ったころより少し伸びた髪がさらさらと肩に流れ、白い肌を優しく隠している。それが惜しく思えて払い落としたくなるも、触れると起こしてしまいそうで彼は一瞬の躊躇ののちただ見つめ続けることを選ぶ。やわらかな影を頬に落とすまつげ、ピンク色の薔薇を模したようなくちびる。
彼だけの天使。
ただの比喩ではなく、彼女はまさしく天使そのものであった。
宇宙の意思に選ばれた聖女。そんな大仰なキャッチコピーですら似合っているかもしれないとセイランをして言わしめる、彼女は今夢のなか。
彼の手の届かない場所で、天使は何を夢みるのか。
『セイラン様にも、必要なものってあるんですね』
小鳥のさえずり以外響くもののないこんな朝は、なぜか過去の映像ばかりがスライドショーのように脳裏を駆け巡ってゆく。故郷に咲いていた花の香りや初めて絵筆を握ったときの感触、出逢いそして別れてきたたくさんの人々。最後に浮かぶのは、決まってセイランの人生の中で疑いなくもっとも緊張したであろう日のことだ。
セイランが、アンジェリークを手に入れた日のこと。
なりふりなど構ってはいられなかった。あと少しでもためらっていたら、彼女はもう永遠にセイランの腕のなかから飛び立ってしまうところだったのだから。
女王の玉座は尊く輝きに満ちているけれど、そんなところにアンジェリークを行かせることなど我慢がならなかった。
だから奪ったのだ。
自分にどうしても必要なものがあるなどと、かつてのセイランには想像もできなかったことだ。彼にとって譲れないものとはすべてセイラン自身のなかにあるもので、実体や形式を必要とするものではなかったはずなのだ。
なのに、アンジェリークを知ってしまった。
どこにでもいる女の子だとしか初めは思えなかった彼女は、いつのまにかこんなにも、セイランにとって大きな存在にとなっていた。
自身の一部のように、どうあがいても自分の心から切り離すことのできなくなってしまった彼女を自覚したら、あとはもう認めるだけだった――恋に落ちていると。
彼女を求めたのが罪だと言われたら、そうだね、と返すほかはないだろう。アンジェリークが新宇宙にとって唯一無二の存在だったことは、セイランも充分に承知している。そうなるよう手助けをしてすらいたのだから。
それでも彼女が必要だった。
そしてそれに応えたのは、ほかならぬアンジェリークだ。
『セイラン様にも、必要なものってあるんですね』
そんなことを言いながらも、アンジェリークは笑っていた。
彼女はずっと笑っている。昨日もおとといもさきおとといも、そしておそらくは今日も。セイランの隣で微笑むのだ。
セイランが欲しいものはただひとつだけで、それはこうして彼のいちばん近くにいる。だからきっと、彼女の夢見るものもひとつだけだろう。
――でもね、アンジェ。早く、現実の僕を見つめておくれ。
差し込む陽光に自然と目が覚めると、彼の目の前で天使が眠っている。
初めて出逢ったころより少し伸びた髪がさらさらと肩に流れ、白い肌を優しく隠している。それが惜しく思えて払い落としたくなるも、触れると起こしてしまいそうで彼は一瞬の躊躇ののちただ見つめ続けることを選ぶ。やわらかな影を頬に落とすまつげ、ピンク色の薔薇を模したようなくちびる。
彼だけの天使。
ただの比喩ではなく、彼女はまさしく天使そのものであった。
宇宙の意思に選ばれた聖女。そんな大仰なキャッチコピーですら似合っているかもしれないとセイランをして言わしめる、彼女は今夢のなか。
彼の手の届かない場所で、天使は何を夢みるのか。
『セイラン様にも、必要なものってあるんですね』
小鳥のさえずり以外響くもののないこんな朝は、なぜか過去の映像ばかりがスライドショーのように脳裏を駆け巡ってゆく。故郷に咲いていた花の香りや初めて絵筆を握ったときの感触、出逢いそして別れてきたたくさんの人々。最後に浮かぶのは、決まってセイランの人生の中で疑いなくもっとも緊張したであろう日のことだ。
セイランが、アンジェリークを手に入れた日のこと。
なりふりなど構ってはいられなかった。あと少しでもためらっていたら、彼女はもう永遠にセイランの腕のなかから飛び立ってしまうところだったのだから。
女王の玉座は尊く輝きに満ちているけれど、そんなところにアンジェリークを行かせることなど我慢がならなかった。
だから奪ったのだ。
自分にどうしても必要なものがあるなどと、かつてのセイランには想像もできなかったことだ。彼にとって譲れないものとはすべてセイラン自身のなかにあるもので、実体や形式を必要とするものではなかったはずなのだ。
なのに、アンジェリークを知ってしまった。
どこにでもいる女の子だとしか初めは思えなかった彼女は、いつのまにかこんなにも、セイランにとって大きな存在にとなっていた。
自身の一部のように、どうあがいても自分の心から切り離すことのできなくなってしまった彼女を自覚したら、あとはもう認めるだけだった――恋に落ちていると。
彼女を求めたのが罪だと言われたら、そうだね、と返すほかはないだろう。アンジェリークが新宇宙にとって唯一無二の存在だったことは、セイランも充分に承知している。そうなるよう手助けをしてすらいたのだから。
それでも彼女が必要だった。
そしてそれに応えたのは、ほかならぬアンジェリークだ。
『セイラン様にも、必要なものってあるんですね』
そんなことを言いながらも、アンジェリークは笑っていた。
彼女はずっと笑っている。昨日もおとといもさきおとといも、そしておそらくは今日も。セイランの隣で微笑むのだ。
セイランが欲しいものはただひとつだけで、それはこうして彼のいちばん近くにいる。だからきっと、彼女の夢見るものもひとつだけだろう。
――でもね、アンジェ。早く、現実の僕を見つめておくれ。
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